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#3 公園

  • 朝田沖陽 / Asada Okiyo
  • 2022年11月28日
  • 読了時間: 1分

更新日:2022年11月28日

この公園には、さまざまな人がやってくる。赤ちゃんや小学生が遊ぶのは昼のあいだのことで、地元のバレークラブが試合帰りにレジャーシートを敷いてお弁当を食べたり、日が暮れる頃に行くと遊び場の砂利で作られた巨大な水路が遺されていたりする。


子どもだけではない。朝は出勤前に朝ごはんをほおばるくたびれたスーツ姿がある。警備会社の現場作業員さんの集合場所に指定されていることもある。おぃちゃんが、集めた空き缶を納品するために、トラックが来る約束の時間まで段ボールを敷いて仮眠を取ることもある。


夜、公園のベンチはその多くが埋まっている。微妙な距離をお互いに取り、ひとりひとりがスマートフォンに向かってなにやら熱心に話している。内容はおろか、なんの言語なのかということさえ聴き分けられないほどに、私は彼らのバックグラウンドについて無知である。電話の相手はどこにいるんだろう。家族か、幼馴染か、元同僚とかパートナーとか。どんな思い出や、どんなトラブルで結ばれているのだろう。


自室で話すのには不都合な話題なのかもしれない。隣室からクレームが来るのかも。広場に出て初めて本当の個室に入れる。その安堵感と解放感を想像しながら、そっと通りすぎる。


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